高知県、高知市、香南市、南国市、香美市の戸建て・注文住宅なら丸和建設株式会社
前回に続き、構造の話をしたいと思います。
今回は「偏心率」についてです。
またも聞きなじみのない言葉だと思いますが、「直下率」と同じく、地震に強い家を造るためには欠かせないことです。
まず少しおさらいをします。
直下率とは、1階と2階の柱や壁を同じ位置に配置する割合のことでした。
そして丸和建設では、柱・壁の直下率を共に60%以上にすることを基準としています。
ではここで、間取りをイメージしてみてください。
南側は日差しをたくさん取り入れたいので、たくさん窓を取りました。
反対に、北側は大きな窓も必要ないので、壁を多く取りました。
完成した間取りは直下率60%以上をクリアしていますが、南側にはほとんど壁がありません。
さて、このおうちは地震に強い家でしょうか。
残念ながら、おそらく危険でしょう。
地震発生時、地震の力は建物の重心(重さの中心)にかかり、剛心(建物の最も強い部分)を中心に建物が回転することで被害が発生します。
耐力壁が北側に偏ることによって剛心は北側に偏り、建物の重心から離れれば離れるほど、建物の負担は増えてしまいます。
この重心と剛心のバランスを「偏心率」と言い、バランス良く耐力壁を配置することで偏心率を小さくし、耐震性を発揮させます。
(実際には外周だけでなく、中の壁も影響します。)
例えば、Newスタンダードハウス「スガオ」の偏心率を計算したものがこちら。
●が重心、◎が剛心です。
丸和建設では偏心率を基準値0.3の半分以下にすることを設計のルールとしており、今回の場合もクリアできました。
直下率60%以上と合わせ、高知の工務店として、耐震について一生懸命考えています。
Nakazawa ✧(〇-〇ゞ